あさよるねむる

よくねむるひと

親の人生

 4月からの人生は私のものじゃない。

 6年間。学費は全て親に出してもらうことになった。もしかしたら奨学金を借りることになるかもしれないけれど、それも最後の1、2年とかで済ませるようにするから、と母は言ってくれた。本当に感謝している。なかなか褒めてくれない親だったけど、行動から私への愛が伝わってくる。私はその愛を返していかなければならないのだ。それが苦しい。でも、やらなきゃ。

 そもそもなんで国公立を目指すのをやめたんだっけな、と。あ、地理が嫌いだったからか。兎に角勉強が嫌だった。そして、死ぬほど勉強しないと国公立なんてもはや合格できないと悟っていたから。もうね、全てが遅すぎたんだ。

 今からでも遅くない、とひとは言うけれどもう遅い。第一志望に落ちた時点で終わっている。遅いとかではなく、もう終わり。~完~特に学費が。第一志望なら、もっと安かったし親を苦しめることもなかったのに。もっと言えばあのとき死ぬ気で国公立を目指していれば、家計は死ぬほど楽になっていたに違いない。

 結局のところ、私はとても人間臭くて、だからとても人間に似ている。

 私の人生が再び私のものになるのは6年後。もしかしたら一生戻ってこないのかもしれない。そのためにやることなんて決まってる。勉強だ。死ぬ気でやるんだ23時に寝ながらな。