墓場
部屋の片付けをしていたときに割ってしまった。小樽で買った彼女のことはもう忘れかけていたけれど、なんとなく捨てるのもな、と思ったので、私は久しぶりにその箱を開けることにした。
クラブハリエのバウムクーヘンの箱に、こうやって捨てづらいものを仕舞っている。思い入れがあるもの、何もないけど捨てにくいもの、写真、くまのぬいぐるみ。長い間中身を見ていなかったので、新鮮な心地がした。
吹奏楽部に所属していたときに使っていたチューナーも入っていた。電池は入ったままだったけれど、電源はつかなかった。でも多分、一生使う機会は来ないような気がしている。
これから先、この箱に入っているものたちがどうなってゆくのかは、誰も知らない。